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葬儀後、初七日までに行うことは?
50歳の男性です。入院生活が長い81歳の父親が余命いくばくもない状態なので、否が応でも葬儀などのことを考えざるをえません。ましてや、75歳と高齢の母親は父親のための介護生活が長く、かなり疲れが出ているようです。ですから、葬儀から相続などにまつわる手続きは、私と妹(45歳)でとりまとめなくてはなりません。ただ初めてのことなので、何から始めればいいか分からず、不安な点も少なくありません。簡単でいいので、まずは葬儀後の初七日までに行うことを教えてください。
相続前に役立つ知識
葬儀後一週間は、まだ精神的にもバタバタしていてなかなかどこから手をつけて良いのか分からないものです。ですので、葬儀後1週間は期限の決まっているものや、優先度の高いものから片付けていくと効率的です。
(1)死亡届の提出
死亡届は正式には「死亡届書」と呼ばれ、記載されている人が死亡したことを証明する書類です。死後7日以内に提出する必要がありますが、国外で死亡した場合はその事実を知った日から3か月以内であれば受け取ってもらえます。正当な理由なく届出が遅れた場合、戸籍法によって5万円以下の過料を徴収されますので要注意です。書面に記入するのは遺族の方ですが、葬儀社が役所の窓口に提出してくれることがほとんどです。
2)支払い続けているものの契約解約
葬儀後は、電話代や新聞代、家賃(借家の場合)などの契約解除、もしくは名義変更を行うようにしましょう。後になって何十万円もの請求されてしまうことを防ぐためにも、故人が亡くなった後に支払い続けている料金をストップさせることが大切です。
それには、利用していた金融機関などに故人は死亡したことを伝えて口座を凍結してもらうことです。同時に故人の通帳を確かめて自動に引き落とされている項目について、解除又は,変更の手続きをしてください。
(3)遺言書の有無の確認
相続を始める前に、まずは遺言書があるかどうかを確認します。ある場合とない場合では大きな違いが生まれます。ただし、遺言書を見つけてしまっても簡単に開封してはいけません。被相続人が自身で書いた遺言書は書き換えられたり捏造されることを防ぐため、一度、家庭裁判所に検認をしてもらわなくてはなりません。
詳しくは「遺言書は簡単に開封していいの?」をご覧ください。
(4)病院・葬儀社への支払い
葬儀後にまず支払うものは、故人が入院していたのであれば、病院への支払いと葬儀社への支払いです。こちらは、葬儀後1週間以内を目安に支払うようにしましょう。
★まとめ★
葬儀後、初七日までには、「死亡届」「契約解約」「遺言書の確認」「各支払い」を済ませましょう。
★用語解説★
- 検認…
相続人に対して遺言書の存在や内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止する手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。