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遺言書を発見した後に取るべき行動は?
82歳の父親が亡くなり、家族は母親と長男の私、長女の妹になりました。先日、葬儀を終え、今は母親と一緒に遺品を整理しています。父親は遺言書を残しているみたいですが、見つけた後、どうすればいいのかまったくわかりません。具体的な方法を教えてもらえないでしょうか。
遺言書への対応策
遺言書を発見した後の行動で、もっとも大事なことは絶対に開封しないことです。その後の行動は、次を参考にしてください。
まずは、保管と法定相続人への連絡
遺言書を見つけた後は、まず金庫や人の手の届かないところに大切に保管し、紛失や汚したりしないようにすることが重要です。
保管したら、「法定相続人」に遺言書が出てきたことを連絡しましょう。このケースだと、妹さんですね。相続する権利がある人に連絡がつかなかったり、遅くなった場合、あらぬ疑いをかけられて、後々、トラブルに巻き込まれることがあります。
また、遺言書に「公正証書」と書かれていれば、それは公正証書遺言書なので、検認の必要はありません。相続人が集まった場で、遺言書を開封しても問題ありません。
しかし、莫大な遺産が残っていたり、複雑な家庭環境の場合、遺産をめぐるトラブルも起こる可能性があります。そうしたケースの場合は、遺言書を開封する前に詳しい状況をまとめ、相続を得意とする弁護士などの専門家に相談してみるのもいいでしょう。
★まとめ★
遺言書を見つけたら、まず封印のままの状態で保管。その後、他の相続人に連絡しましょう。
関連リンク★
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★用語解説★
- 自筆証書遺言
筆記用具と紙、印鑑があれば作成することができる遺言書。遺言の作成にあたって証人や立会人、遺言書の封入は不要ですが、遺言者の死亡後に家庭裁判所で検認手続を行う必要があります。 - 公正証書遺言
公証役場で公証人に作成してもらう遺言で、最も確実であるといえます。公証役場がどこにあるか分からないときは、インターネットや電話帳で調べるか、市区町村役場に聞けば教えてもらえます。 - 秘密証書遺言
「内容」を秘密にしたまま、「存在」だけを公証人役場で証明してもらう遺言。作成の際には、2人以上の証人が必要です。 - 検認
相続人に対して遺言の存在や、その内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止する手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。