目次
遺言書の種類で開封方法が違うの?
父親が74歳になります。まだ元気なのですが、最近、遺言書を書いたようです。ただ、内容はもちろん、どんな形式の遺言書を書いて、どこに保管されているかは、家族である母親と私、弟も知りません。それで、いざ父親が亡くなったときに困らないように、開封方法を把握しておきたいと思います。遺言それぞれの形式によって異なるのでしょうか?
遺言書への対応策
遺言書は、大まかに「自筆証書遺言書」「公正証書遺言書」「秘密証書遺言書」の3種類に分類されます。そして開封の方法も違うので、しっかり把握しておくといいですね。
⑴自筆証書遺言書
自筆証書遺言書は、もっともオーソドックスな遺言書です。印鑑さえあれば、個人で簡単に作成することができます。とはいえ、変造や紛失する可能性もあるので、発見したからといって勝手に開封してはいけません。開封する際は、家庭裁判所に提出して「検認」の手続きを行う必要があります。
⑵公正証書遺言書
少し費用と手間がかかりますが、公証役場で証人の同席のもと公証人に遺言書を作成してもらいます。そして、原本は公証役所に、謄本を遺言者の手元に渡されます。原本が役所に残っていて変造されても比較できるので、発見して勝手に開けてしまっても問題ありません。もちろん、裁判所で「検認」を行う必要もありません。
⑶秘密証書遺言書
自筆証書遺言書と公正証書遺言書の中間のような遺言書です。遺言者が遺言書を作成して公証人に提示し、遺言書を残したことを証明してもらいます。しかし、証人も内容は確認できず、保管も遺言者本人が行うので、相続人が勝手に開封できず、開封には自筆証書遺言書と同じく「検認」の手続きが必要です。
★まとめ★
遺言書は形式によって、その開封方法が異なります。
関連リンク★
遺言の有無を確認する方法は? >>遺言書は簡単に開封していいの? >>
うっかり開封してしまった遺言書の効力は? >>
遺言書を発見した後に取るべき行動は? >>
★用語解説★
- 自筆証書遺言
筆記用具と紙、印鑑があれば作成することができる遺言書。遺言の作成にあたって証人や立会人、遺言書の封入は不要ですが、遺言者の死亡後に家庭裁判所で検認手続を行う必要があります。 - 公正証書遺言
公証役場で公証人に作成してもらう遺言で、最も確実であるといえます。公証役場がどこにあるか分からないときは、インターネットや電話帳で調べるか、市区町村役場に聞けば教えてもらえます。 - 秘密証書遺言
「内容」を秘密にしたまま、「存在」だけを公証人役場で証明してもらう遺言。作成の際には、2人以上の証人が必要です。 - 検認
相続人に対して遺言の存在や、その内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止する手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。