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遺産分割協議は書面に記録しないと失効するの?
母親が亡くなり、法定相続人で遺産分割協議を始めようと思っています。ただし、相続人の一人が海外に住んでいて遺産分割協議に参加することが厳しい状況です。もし、協議内容を書面に残さないといけないのであれば、相続人の発言が記録されないので、正式な遺産分割協議はできないことになります。このような場合、どうすればいいでしょうか?
相続トラブルに役立つ知識
基本的には、遺産分割協議の記録を書面で残すかどうかは自由です。ですから、書面に話し合いの進行具合や結果を書き記さなくても法的に罰されることはありません。
記録として残しておけば便利
ご相談のケースは、「法定相続人の一人が海外で暮らしていて、遺産分割協議に参加できないない」という状況です。しかし、遺産分割協議は相続人の一人が海外にいるからといって開かないわけにはいきません。また、全員参加のもとで書面を残さないといけないという決まりはありませんから、参加できる相続人だけで集まって協議し、海外にいる方には話し合いの内容を記した書面を送付するのが最適な方法だと思われます。いずれしても、遺産分割協議は揉めるケースが多いので書面の形で残しておいた方がいいでしょう。なお、不動産登記などの手続きには、印鑑証明書付きの書面が必要となります。
★用語解説★
- 法定相続人
民法によって定められた遺産相続する権利を有する者。遺言書がない場合は、この法定相続人によって遺産を分割することとなります(民法第890条、887条、889条、889条)。 - 遺産分割協議
相続人全員の合意で、被相続人(亡くなった方)の遺産の分け方を決めることです。