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兄弟姉妹間で話がまとまらない
子ども3人を残して、母親が88歳で亡くなりました。父親は7年前に他界しており、相続人は私たち子どもです。長男・長女・次女(私)が遺産を整理していたら、かなりの財産が残っていることが分かり、3人とも驚きました。ことに、建物や土地、証券といった簡単には分けられないものが多く、「兄弟姉妹間の争いにならないか」という心配も沸き起こってきました。遺産分割協議で話がまとまらないとき、なにかよい解決方法はあるでしょうか?
相続トラブルに役立つ知識
話し合いだけで解決すればよいですが、お金が絡んでいるために長引くケースは往々にしてあります。さらに、根本的な考え方が違うことから、永久に話し合いだけでは解決しないこともあります。そこで考えられるのが、相続のプロである弁護士への依頼。法的な観点から主張をしてくれますし、トラブルになっている場合はその仲裁に一役買ってくれるでしょう。
(1)弁護士に依頼するメリット
- 解決への筋道が見えてくる
「専門知識がないので、どのように解決をすればいいか分からない」という人は多いのではないでしょうか。弁護士に依頼をすれば、あなたの立場、考え方、相手の状況などをヒアリングし、冷静に解決へと導いてくれます。そうすれば、不安が減るはずです。 - ストレス軽減につながる
お金の話などはしたくない人も多いのではないでしょうか。そこで弁護士が相続人間に入ることで、相手と毎回話をする苦痛もなくなります。窓口は全て弁護士となりますから、自ら相手に話し合いを求めてかけあう必要はありませんし、何か言われても弁護士に話をしてほしい旨を伝えれば大丈夫です。 - 法的手続による解決ができる
弁護士を介して話し合いをしていても、解決しない場合があります。そんなときは、家庭裁判所で調停を行います。調停では、調停委員や弁護士が間に入って話を進めてくれますので安心できます。
(2)弁護士に依頼するデメリット
- 弁護士に支払う費用がかかる
弁護士に依頼すれば、どうしても費用が発します。弁護士には法律相談だけを行い、他は当事者間の話し合いだけで解決できれば、10万円も費用はかかりません。しかし、弁護士に協議の取りまとめを依頼したり、調停や訴訟等の法的手続きなどを依頼すると、着手金などだけで約50〜100万円はかかります。
もしも、裁判になった場合に勝訴すれば、追加で成功報酬を定められた割合(請求金額の4〜16%が一般的)で支払う必要もあります。そのため、あまり遺産額が低いと、「勝訴はしたが、手元にはあまり残らない」というケースもあることをご理解ください。