創業60余年、神奈川県大和市大和駅徒歩3分の不動産会社、信頼と実績の「株式会社まつもと」でございます。賃貸物件、売買物件、店舗・事務所物件から資産運用まで、不動産のことならなんでもお気軽にご相談ください!

相続前 

両親から「相続させない」と言われている

両親から「相続させない」と言われている

目次

両親から「相続させない」と言われている

父親・母親・姉・私・弟の5人家族です。68歳の父親は会社を経営していて、経済的にかなり裕福な家庭です。しかし、仲のいい家族のなかで、なぜか私だけ昔から疎遠にされてきました。相続に関しても、両親から「おまえには一切、財産は残さない」と言われていて、精神的にまいってしまい、現在も家族のなかで孤立しています。こんな状況のなかで、相続を有利にするためになにかできることはないでしょうか?

相続前に役立つ知識

法定相続人である子どもには相続分には最低保障があり、相続分を完全に奪ってしまうことはできません。この相続分の最低保障を「遺留分」と言い、遺留分を請求することを「遺留分減殺請求」と言います。

もちろん、このケースの場合でも、「相談者には遺留分が適用され、遺留分が犯される際には遺留分減殺請求の権利を行使できる」ことが法律によって保障されています。ただし、遺留分減殺請求遺留分が実際に侵害されたときに初めて主張できるものなので、お父さんがご存命の現時点では権利を主張することはできません。

とはいえ、「相談者にとって現時点で行えることはまったくない」というわけではありません。今のうちに、ご両親やお姉さん、弟さんを交えて「相続には法律で保障された遺留分がある。もし、お父さんが亡くなり、相続時に本来の遺留分以上の財産分けが確保出来ない場合は、遺留分減殺請求をする」と伝えたらどうでしょう。そうすれば、後々、起こるかもしれない争いを避けることができるかもしれません。身内間の財産を巡る揉めごとほど、悲しいものはありませんからね。


★まとめ★

法定相続人への相続分には最低保障があり、それは法律で決められています。もし、相続分を完全に奪われることがあれば遺留分減殺請求できますが、そうならないためにも事前に家族間でよく話し合ってみてはいかがでしょうか。


★用語解説

  • 法定相続人
    民民法によって定められた遺産相続する権利を有する者。遺言書がない場合は、この法定相続人によって遺産を分割することとなります(民法第890条、887条、889条、889条)。
  • 遺留分
    遺言によって法定相続分を侵害された法定相続人が、一定の割合で遺言を否定して法定相続分の一部を取り戻すことができる権利のことです(兄弟姉妹を除く)(民法第1028条)。
  • 遺留分減殺請求
    法定相続人には、遺言によっても侵し得ない「遺留分」という最低限度の遺産に対する取り分が確保されています(兄弟姉妹を除く)。この遺留分を請求する権利のことを「遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)」と言います。(民法第1031条)