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遺産分割調停で寄与分を認めてもらいやすくする方法は?
認知症を抱えている父親の面倒を見ています。母親は以前に他界していて、姉と妹は結婚して県外で暮らしているので、実家の近くで暮らす二女の私が必然的に父親の面倒を見ることになったわけです。この状況は姉・妹ともに理解していて、相続に関して三者間で揉めることはまったくありません。ただ、実際に父親が亡くなったときにトラブルが起きないように、私の立場をはっきり証明できるものを準備したいと思います。今のうちにできることはあるでしょうか?
相続トラブルに役立つ知識
遺産分割調停になった場合は、寄与分を認めてもらいやすくするために、被相続人の事業に関する労務の提供、被相続人の事業に関する財産上の給付、被相続人の療養看護などを客観的に証明するための書面を用意する必要があります。
(1)家業に従事したという記録
タイムカードみたいなものがあれば従事していたことを判断する分かりやすい証拠となりますが、自営業などの場合はない場合も多いと思いますので、近所の方の証言や、取引先相手とのメールのやり取りがあると良いでしょう。
(2)被相続人の介護度がわかるもの
診断書、カルテ、介護認定、介護ヘルパーの利用明細、連絡ノートなど、お父さんの介護をしていたことが分かるものであればOKです。
(3)介護の時間・内容が分かるもの
一般的には介護日記などが必要ですが、これ以外にも、介護のために仕事を休んだ場合はその日時や欠勤による減収分、シフト変更や休日出勤などがあれば記録に残しておくと良いでしょう。
(4)銀行口座の通帳
金銭面でのやり取りがあった場合は銀行預金の通帳の写しや、カードを使用した際はその使用履歴を残しておくと良いでしょう。
★用語解説★
- 遺産分割協議
相続人全員の合意で、被相続人(亡くなった方)の遺産の分け方を決めることです。 - 寄与分
被相続人の生前に、その財産の維持や増加に影響するような貢献をした相続人がいる場合、他の相続人との間の不公平を是正するために設けられた制度です。 民法904条の2によって定められています。