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法定相続分は勝手に変更できる?
父親が亡くなり、葬儀も済みました。母親は以前に亡くなっているので、現在は兄弟姉妹で遺産分割の協議を行っていて、なんとか話し合いがつきそうで安心しているところです。ただ、いろいろな事情で3人の兄弟姉妹による財産の取り分が法定相続分とは異なっています。このことが唯一の不安材料ですが、法律的に許されるものなのでしょうか? なお、父親は遺言書を残していません。
相続トラブルに役立つ知識
亡くなった人が遺言書を作成していなかったら、誰が遺産を相続するのか決まりませんから、法律で「遺産を誰々が相続しなさい」とルールを定めています。そして法律は誰と誰が遺産を相続することになるか、その組み合わせによって「それぞれがどれだけの遺産を取得するか」という遺産の取り分も定めています。これが法定相続分ですね。
法定相続分どおりに遺産分割しなくてもOK
遺言書が作成されていない相続では、相続人は法定相続分のとおりに遺産分け(遺産分割)をしなければいけないのか。答は「NO」です。相続人は必ずしも法定相続分どおりに遺産分割をしなくてもかまいません。法定相続分を無視して遺産を相続していいわけです。
「ある家では長男が全部相続した」とか、「両親の面倒をみた次男夫婦が遺産全部をもらった」なんていう話を聞いたことありませんか? それは、ちゃんと遺産分割協議などが行われていれば、違法でもなんでもないことなんですね。
法定相続分というのは、遺言書がない場合に備えて法律が相続分の基準を示しているもの。「このとおりにきっちり遺産分割をして、遺産の最終相続をしなければいけない」という趣旨ではありません。つまり、法律で決っている相続分を自分たちで変更してまったくかまわないわけです。