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遺言書の効力が無効になる事例は?
家族は、69歳になる私と妻(65歳)・長女(40歳)・長男(38歳)・次男(35歳)の5人です。私の体調はまだ問題ないのですが、相続も考えなくてはと思っています。そこで、遺言書のことで質問させてもらいます。遺言書は慎重に書く必要があると聞きましたが、無効になるケースもあるのでしょうか? あるとしたら、どのようなことが要因になるのでしょうか?
遺言書への対応策
遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、それぞれ無効になるケースが異なります。
- パソコンで書いた遺言書
- レコーダーなどで録音した遺言書
- 押印がない
- 日付の記載がない
- 日時が特定できない遺言書
- 遺言者以外が書いた遺言書
- 署名のない、あるいは他人が署名した遺言書
- 相続する財産の内容が不明確な遺言書
- 二人以上の共同で書いた遺言書
- 遺言作成の日ではない日付が記載された遺言書
⑵公正証書遺言書で無効とされる例
- 公証人が不在の状態でつくられた遺言書
- 証人になれない人が立ち会った遺言書
- 公証人に口授せず、身振り手振りなどで伝えた遺言書
- 証人が席を外している間に作られた遺言書
- 実は証人欠格者が立ち会っていて、証人の人数が足りていなかった遺言書
⑶秘密証書遺言で無効とされる例
秘密証書遺言の効力が無効になるケースは、自筆証書遺言や公正証書遺言のケースとほぼ同じです。ただし、公正証書遺言は公証人が適切な手続きに作成するのが通常ですから、無効となることは極めて稀です。
★まとめ★
公証人が適切な手続きに作成する「公正証書遺言」が無効となることは極めて稀です。
★用語解説★
- 自筆証書遺言
筆記用具と紙、印鑑があれば作成することができる遺言書。遺言の作成にあたって証人や立会人、遺言書の封入は不要ですが、遺言者の死亡後に家庭裁判所で検認手続を行う必要があります。 - 公正証書遺言
公証役場で公証人に作成してもらう遺言で、最も確実であるといえます。公証役場がどこにあるか分からないときは、インターネットや電話帳で調べるか、市区町村役場に聞けば教えてもらえます。 - 秘密証書遺言
「内容」を秘密にしたまま、「存在」だけを公証人役場で証明してもらう遺言。作成の際には、2人以上の証人が必要です。