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遺言書が簡単に開封されないようにする方法は?
74歳になった昨年、遺言書を書き、自宅に保管しています。今、自宅には私と妻しかいませんが、近くに子ども(長女・長男・次女)が住んでいます。遺言書は見つけにくいところに隠していますが、子どもが何かの拍子で勝手に開封してしまうかもしれません。簡単に開けられないようにするためには、どうすればいいでしょうか?
遺言書への対応策
ドラマなどでは、親族全員が集まり遺言書を開封するシーンもありますね。しかし、自分たちで遺言書を開封してしまうと、罰金を取られてしまうことがあります。そこで、遺言書を残す側は相続人に対して細かな配慮をする必要があります。
⑴遺言書を二重封筒に入れる
相談者のように既に遺言書を自分で作成している方や、これから自分で遺言書を書こうと思っている方は、遺言書の残し方を工夫しましょう。たとえば、封筒を二重にしたらどうでしょう。二つ目の封筒にはメモを貼り、そこには「これ以上は開けてはいけない。これを裁判所に持って行き、検認しなさい」と書いておくのです。
⑵公正証書遺言書で残す
もっとも確実な方法は、公正証書遺言書にすることでしょう。公正証書遺言書は原本、正本、謄本の3つが作成され、もっとも効力がある原本は公正役場に保険されるので、誰もが勝手に開封することはできません。
- 原本
遺言書を残す人、公証人、証人2名が、署名押印したもので、公証役場が保管してくれます。公正証書の保管期間は通常20年ですが、遺言書の場合は20年経過後もしっかり保管してくれます。 - 正本
「原本」と同じ効力をもつ「原本のコピー」です。遺言を残した方が亡くなって、その遺言書の内容を実現しようとするとき、金融機関などから提示を求められます。ですから、「正本」は遺言書を残した人が亡くなったことを、すぐに知ることができる立場の方に保管をお任せするのがいいのではないでしょうか。 - 謄本
「原本の控え」のようなものです。これは、遺言書を残した人が自身で保管して、どんな遺言書を残したのか確認するための控えとすればいいでしょう。その必要がなければ、「正本」の保管をお任せした同じ人に預けてもいいでしょう。
★まとめ★
遺言書を開封されない最適な方法は、「公正証書遺言」にすること。
★用語解説★
- 公正証書遺言
公証役場で公証人に作成してもらう遺言で、最も確実であるといえます。公証役場がどこにあるか分からないときは、インターネットや電話帳で調べるか、市区町村役場に聞けば教えてもらえます。