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遺言の有無を確認する方法は?
55歳の男性で、母親と妹・弟がいます。父親は不動産や有価証券などを所有していましたが、先日、85歳で他界しました。先日、葬儀も終わって相続のことも含めて今後のことで家族会議をしました。母親が言うには、父親はどうやら遺言書を自筆で書いたらしいのですが、探しても見つからず困っています。こんなとき、どうすればいいでしょうか。
遺言書への対応策
自筆で書かれた遺言書が保管されている場所を探し出すための確実な方法はありませんが、幾つかの方法がありますので、解説していきます。
⑴自筆証書遺言の有無を確認する場合
被相続人が自分で書いた自筆証書遺言と秘密証書遺言は自分自身によって保管されている可能性が高いので、宝探しのように相続人たちで探していく必要があります。可能性の高い場所としては、下記のような場所が考えられます。
①自宅の金庫
②自宅の書斎や鍵付きの引き出し
③付き合いのある税理士や弁護士
④仏壇付近
⑤銀行の貸金庫や信託銀行
また、相続人の方は、お父さんと付き合いがあったと思われる関係先に、お父さんが亡くなった旨のご挨拶して下さい。遺言書について知っている方がいるかもしれません。
!注意点
遺言書を見つけた場合でも、その場で開封してしまうと、5万円以下の過料がかかってしまいますので、要注意です。詳細は、次のページに記載していますのでご参照ください。
⑵公正証書遺言の有無を確認するには
公正証書遺言が残されているかどうかは、公証役場のデータベースで確認することができます。公証役場名や公証人名などがわかれば、公正役場に記録が残っている可能性が高いでしょう。ただし、平成元年以降に作成された遺言書でないと見つからないかもしれませんので、ご注意ください。公証役場がどこにあるか分からないときは、インターネットや電話帳で調べるか、市区町村役場に聞けば教えてもらえます。
★まとめ★
遺言書の在処を確認するには、被相続人の関係者に聞くか、弁護士や司法書士などの遺言作成専門家に相談すると有効です。
★用語解説★
- 自筆証書遺言
筆記用具と紙、印鑑があれば作成することができる遺言書。遺言の作成にあたって証人や立会人、遺言書の封入は不要ですが、遺言者の死亡後に家庭裁判所で検認手続を行う必要があります。 - 公正証書遺言
公証役場で公証人に作成してもらう遺言で、最も確実であるといえます。公証役場がどこにあるか分からないときは、インターネットや電話帳で調べるか、市区町村役場に聞けば教えてもらえます。 - 秘密証書遺言
「内容」を秘密にしたまま、「存在」だけを公証人役場で証明してもらう遺言。作成の際には、2人以上の証人が必要です。