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自筆で書く遺言書の作成方法は?
70歳を迎えたので、そろそろ遺言書を作成して家族を安心させたいと思います。ただ、公証役場に行くまでもない内容なので、自筆で書いて自宅に保管しておこうと考えています。何度も修正するのは効率的ではないので、作成方法のポイントを教えてもらえないでしょうか。
遺言書への対応策
自筆で書く遺言書は、「自筆証書遺言」と呼ばれています。自分で文字が書けて、押印ができる状態であれば作成できるため、もっとも簡単な遺言方法と言って良いでしょう。
⑴自筆証書遺言の作成ポイント
書く前に、まず下記の点をしっかり押さえておきましょう。
- 自分の直筆で書くこと(代筆、PCでの作成は不可)
- 録音や映像で残すと無効
- 遺言書がいつ書かれたのか明記する
- 署名と押印を必ず行う
- 夫婦の共同遺言はNG
⑵作成のために用意するもの
絶対に必要なもの
- 丈夫な用紙
- 筆記具(文字が消えないボールペンなど)
- 印鑑と朱肉
あった方が良いもの
- 印鑑登録証明書(実印が間違いないか確認)
- 戸籍謄本(相続人の名前を絶対に書き間違えないようにするため)
- 住民票(相続人以外の人に遺贈する場合にはその人の分)
- 登記事項証明書/登記簿謄本(不動産がある場合)
- 封筒
- のり
- 大切な人リスト
- 財産目録 など
⑶実際の作成方法
- タイトルは「遺言書」とします。
- 全文自筆で書きます。
- 相続人が法定相続人でない場合には、「相続させる」ではなく「遺贈する」と書きます。
- 財産の書きもれがあると、その部分については遺産分割協議が必要になります。それを防ぐために、相続人が複数人の場合は、「その他、遺言者に属する一切の財産は、●●●●に相続させる」という一文は入れておきましょう。
- 手続きをスムーズに進められるよう、遺言執行者を指定しておきましょう。
- 付言事項は遺言としての法的効力や拘束力はありませんが、残された家族へのメッセージになります。
- 正確な日付を記入します。
- 自筆で署名・押印をします。なお、認印でも法的には問題ありませんが、トラブルを防止するには実印が効果的です。印鑑登録証明書を取り寄せ、実印で間違いないか確認しましょう。
- 自筆証書遺言を封入・封印して保管します。遺言書本文の自署名下に押印がなくても、遺言書本文が入れられた封筒の封じ目に押印があれば足りるとされています。
★まとめ★
自筆証書遺言を記載するときは、「無効にならない書き方」を抑えておくことが大事です。
★関連リンク★
相続前に準備しておくべきことは? >>公正証書遺言の書き方は? >>
秘密証書遺言の書き方は? >>
★用語解説★
- 付言事項
遺言書で法律に定められていないことを補足的に記載する事項。相続人に思いを残す場合に書かれることが多く、相続間同士の争いの回避につながるケースもあります。