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うっかり開封してしまった遺言書の効力は?

うっかり開封してしまった遺言書の効力は?

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うっかり開封してしまった遺言書の効力は?

先日、83歳の母親が亡くなりました。父親は10年前に他界していて財産はすべて母親名義になっていたので、葬儀後、兄妹と一緒に遺品整理をしていたところ、妹が母親の遺言書を見つけました。私と兄は「遺言書の保管者や相続人は、家庭裁判所で開封しなくてはならない」ということを知っていたのですが、妹はそれを知らず勝手に開けて読んでしまいました。こんな状況で開封してしまった遺言書は有効なのでしょうか?

遺言書への対応策

遺言書を簡単に開封してしまうと、罰金を取られることがあります。勝手に開けられ、中身をすり替えられたら相続争いが起こりますし、遺言書を書いた本人は亡くなっているので、真実を確認する術がないからです。そこで、遺言書を開封する際も細かいルールがあり、ルールを破ると罰則を受けるようになっているわけです。

⑴遺言書を勝手に開封してしまうと5万円以下の過料も

「遺言書を発見し、相続が開始する場合は裁判所に遺言書を提出し検認の請求をしなくてはならない」という法律があります(民法1004条)。そして、裁判所に提出せずに勝手に遺言書を開封してしまうと、5万円以下の過料になります。

⑵遺言書の効力は消えない

亡くなった人が巨額な資産を残したとします。このことを知らずに遺言書をうっかり開封してしまった結果、相続人の資格を失ってしまったら…こんなことになったら、たまったものではありませんよね。そこで、法律では「遺言書を勝手に開封しても、開封者の相続の資格や遺言書の効力が失われることはない」と規定されています。ただし、5万円以下の過料にはなるので、要注意です。

⑶遺言書の変造・隠蔽・破棄は、相続人の権利を失うことに

しかし、財産に目がくらみ、自分の都合に合わせて遺言書を改ざんしようと考える人もいるでしょう。それは、犯罪になります。うっかり開封してしまった場合は過料ですみますが、遺言書を隠したり、捨てたり、書き換えたりする目的があると、相続人の権利を失ってしまいます。


★まとめ★

遺言書を勝手に開封したら、罰金。改ざん・隠蔽・破棄は、相続人の権利剥奪。


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